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錆びた碇(いかり)

キャリアアンカーという考え方

キャリアアンカーとは

私はキャリアカウンセラーになる勉強をする過程において、
「キャリアアンカー」という考え方に出会いました。

そして、働く人にとってこの考え方はとても重要なことだと思います。
このキャリア・アンカーという考え方は、アメリカの組織心理学
つまり集団での心理学の学者であるエドガー・シャインという人によって発表されたものです。

この人は心理学の世界では非常に有名な方です。

アンカーとは「船の錨(いかり)」のことをいいます。
そして、キャリアという言葉は競馬場、競技場という意味の
フランス語のcarriereからきています。

その後に「太陽が空を通り抜ける道筋」「人生のひとつの職業における前進」という意味を
持つようになり、さらに「行程」「進行」「職業」「競争」「軌跡」「経験」など
多様な意味で使われるようになりました。

「太陽が空を通り抜ける道筋」が語源になっているなんて非常に興味深いと思っていましたが、
その道筋を自らが照らし出すのがキャリアアンカーだと思っています。

学説的には、ある人物が自らのキャリアを選択する際に、
最も大切な(どうしても犠牲にしたくない)価値観や欲求のことと定義づけています。

さらに、シャインはこの社会生活において望む欲求を8つに分類しました。
仕事をする上での、管理能力、技術的や機能的能力、創造性、そして安全性、仕事に対する
姿勢としての純粋な挑戦に対する欲求、自律と独立、奉仕や社会献身、
ワーク・ライフバランスにおける欲求がそれになります。

この8つの分類について、私なりの解釈で説明しましょう。

譲れない優先順位をつけてみる

まず管理能力とは、組織の中で仕事をする中で責任を持った役割を任されたいと思うことです。
そして技術的・機能的能力とは、もっと専門的な仕事がしたい、
能力を向上させたいと望むことをいいます。

安全性とは、長期にわたって安定した状態で職につきたいという望みです。
創造性とは、その言葉通り創造的なことを考え作り出したいという欲求のことをいいます。
自律と独立は、依存する立場ではなく、独立した立場になりたいということです。

そして奉仕・社会献身とは、社会や人に対して社会的に良いことをしたいという
ボランティア精神のようなものでしょうか。

純粋な挑戦とは、難しい問題にたいして解決しようというチャレンジ精神です。
そして、最後にワーク・ライフバランスとは、仕事と家庭の比重を調整すること、
自分の欲求と現実の仕事とのバランスを調整することです。

これらの8つの要素を踏まえて自分のキャリアを考えるのも一つの方法だと思います。
これに優先順位をつけて就職先を考えるのもいいと思います。

私が思うに、組織で要求されている職務や役割に自分のキャリアをあわせていくという
従来型のキャリア形成方法ではなく、
今、市場やその顧客、患者さんが求めているものを
自分自身のアンテナでもって感じ取り、
その組織や現代社会にとって必要なスキル、
キャリアを考え出し、自らがスキルを獲得する、
そして、そのスキルを組織や社会で
認めてもらうことによって、自らがキャリアを作り、
周りを巻き込んで引っ張っていくということが今は求められていると感じています。

これは私なりのあくまで私の見解ですが、
要は「キャリアは自らが作るもの」であると思っています。

人間は、可能性を無限大に持っているのですから、自ら考えて自ら行動し、
キャリアですら創造的に作ることが現代人には求められているということですね。

キャリアアンカーの内にある「純粋な挑戦」という部分の中で、
やってみたいこと、気になることがあればチャレンジするのもひとつの道なのかもしれません。
税理士の資格を取りたいと昔思っていながら、諦めていたのですが…。
税理士事務所の求人サイトを見ていると、働きながら勉強できる事務所も増えているので、
もしかしたら今が、その夢を叶えるのに良い環境にあるのかもしれないですね。